衣服の基本

衣服の基本


イスラームは衣服に 関し、特別な種類を定 めているわけではあり ません。そして例外的 な場合を除き、衣服に おいてその国の人々の 衣服と合わせること が、優先されます。

イスラームは天性の宗教であり、人生の諸事において、健全な天性・明快な理解・一般論理にそぐわないものは、人間に定めていません。

そしてムスリムの衣服とアクセサリーの基本は、合法です:

イスラームは人々に、特定の種類の衣服を定めてはいません。そうではなくイスラームは、そこに害や度の過ぎた部分がなく、それが求められている役割を果たす限りにおいて、全ての衣服の合法性を認めているのです。

アッラーの使徒rは、当時存在していた複数の衣服を着ていたのであり、特定の衣服を命じたり、禁じたりすることはありませんでした。ただ彼は、衣服における特定の性質を禁じただけだったのです。全ての行動‐衣服もその1つ‐の基本は合法であり、根拠なしに非合法となることはありません。これは、崇拝とちょうど逆です。崇拝においての基本は禁止であり、根拠なしに合法となることはありません。

預言者rは仰りました。「浪費したり、尊大になったりせずに、食べ、施し、着るがよい。」(アン=ナサーイー2559)禁じ


られた衣服


1

アウラ(103ページ参照)を露わにするもの:ムスリムは衣服によって、アウラを隠さなければなりません。アッラーは仰せられます。『われらはあなた方に、あなた方の恥部を覆う衣服と、着飾る衣服を下した…』(クルアーン7:26)

イスラームは男性と女性に、アウラを隠す範囲を定めています。男性のアウラは臍から両膝頭までで、マフラム(206ページ参照)でもない男性の前での女性のアウラは顔と両手を除く、全身です。

身体の各部にピッタリと合ったタイトな衣服や、その下から体が透けて見えるような薄い生地のもので覆うことは、許されません。アッラーが、アウラが透けて見える衣服を着る者を警告されたのは、このような理由によります。預言者rは仰りました。「地獄の業火の住人である、2種類の者‐中略‐衣服を着用してはいるが、裸体同然の女性。」

2

異性と似通って見えるようなもの:つまり、男性が女性特有の衣服を着用することによって女性のようになり、同様に女性も男性のようになることです。これは大罪の1つであり、禁じられています。また、話し方・歩き方・動作において異性のように振る舞うことも、同じ位置づけとなります。アッラーの使徒rは、女性の衣服を着る男性と、男性の衣服を着る女性を、呪われました(アブー・ダーウード4098)。また同様に、女性の真似をする男性と、男性の真似をする女性のことも、呪われました(アル=ブハーリー5546)。(ここでの「呪い」とは、アッラーのご慈悲から放逐され、遠ざけられることの意味です。)こうしてイスラームは、男性および女性の性質と外面が固有のものとなることを欲しました。そしてこれが健全な天性と、正しい論理に適ったことなのです。

3

その衣服における特徴により、非ムスリムと似通って見えるようなもの:例えば、修道僧や占い師の衣服、十字架や、ある宗教に特有のシンボルを身につけることなどのことで、これらの着用は禁じられます。アッラーの使徒rは、こう仰りました。「ある民と(故意に)似通う者は、彼らの仲間である。」(アブー・ダーウード4031)なお、ここには他の宗教や、誤った宗派のシンボルも含まれます。このような真似は品行の弱さと、人間が持つ真理に対する自信のなさの証拠なのです。

なお、ムスリムが、自分の国で浸透している衣服を着ること‐たとえ大半の非ムスリムが、それを着用しているとしても‐は、この件には該当しません。というのも預言者rもまた、特別に禁止されたもの以外は、シルク(58ページ参照)の徒であるクライシュ族が着ているような服装をしていたからです。

非ムスリムと似通って見えるようなも のを身につけることや、イスラーム以外 の宗教的シンボルを掲げることは、禁じ られています。

4

高慢さや尊大さなどを催させるよ うなもの。預言者は仰りました。 「心に塵1粒でも高慢さがある者 は、天国に入らない。」(ムスリム 91)

(男性が)衣服を引きずったり、 高慢さや尊大さから、くるぶしから 下まで衣服を長くしたりすることを イスラームが禁じたのは、このよう な理由によります。預言者は仰り ました。「アッラーは審判の日、尊 大さから衣服を引きずる者にお目を かけられない。」(アル=ブハーリ ー3465、ムスリム2085)

またイスラームは、「注目を浴び る衣服」を禁じました。それは、 それを着用することで他人が驚 き、それについて噂し、その結果 それを着る者が注目の的になるよ うなものです。それはその衣服の 奇抜さゆえ、またはそのアンバラ ンスな色使いや、それを着用する 者に伴う驕りや高慢さゆえに、人 々が嫌悪感を抱くからです。アッ ラーの使徒は、こう仰りました。

「アッラーは審判の日、この世に おいて“注目を浴びる衣服”を着 る者に、屈辱の衣服をお着せにな る。」(アフマド5664、イブン・ マージャ3607)

5

男性にとっての金を含む衣服、あるいは純粋な天然の絹製の衣服。イスラームは、預言者rが金と絹について次のように仰った通り、それらを男性に禁じました。「その2つは、私たちの共同体の男性に禁じられ、その女性には許されている。」(アブー・ダーウード4057、イブン・マージャ3595)

ここで男性に禁じられている絹とは:蚕から生産される、天然の絹のことです。

6

浪費や無駄遣いがあるもの。預言者rは仰りました。「浪費したり、尊大になったりせずに、食べ、施し、着るがよい。」(アン=ナサーイー2559)

これは状況により、異なります。豊かな者は、貧しい者が(その財産/月収/経済状況/自分が面倒を見なければならない他人への義務を考慮した場合)買うにはふさわしくないような衣服を買うことも出来ます。ゆえに同じ衣服が、豊かな者にとっては浪費ではなくても、貧しい者にとっては浪費となるかもしれないのです

衣服に浪費することは禁じられま す。その基準は、個人の収入や義務に 応じて異なります。